比翼の調べ

KyrieEleison2010-10-19

出勤ラッシュの梅田地下街を、先生に引率された幼稚園児の列がピヨピヨと横切ろうとしていた。
ほほえましいやら危なっかしいやら。一団の横を過ぎていたら、子供たちが声をあげる。
「おはよう!」
「おはようございます!」
「これから天王寺動物園に行くの」
「楽しみー」
「バイバーイ」
途端に雑踏の地下道が賑やかになる。通りかかったラフな格好の男性が、声をかけたようだった。
その男性は手を振って子供たちを見送り、跳びはねるようにして、何やら歌うように叫びながら去って行った。子供たちの親なら、少し警戒してしまう相手だ。私も、話し掛けられたらきっと面倒だなと思うだろう。
けれど、子供たちのあの明るい声は、そういう大人の警戒心の向こう側にあって、ただ嬉しそうで、それが結構堪えた。


つまんないものばかりいっぱい抱えて、そんなものを振りかざして、賢くなったつもりか。
そんなふうに、横っ面を叩かれたように思われた。


あーあ、なんか疲れたなー。
ちょっと、世界を整理して構築しなおそう。惰性で保有しているものが多過ぎる。