手のひらの温度

会社で一番つきあいの多かった一歳年上の同僚が、最後の出社だった。
寿退職。彼女の故郷でもある、北海道に嫁いで行くのだ。


なんとなく実感が薄いので、改めてお別れを言うのも気恥ずかしい気がしたけれど、一応帰り際に挨拶。
でも、顔を見たら泣いちゃいそうで、眼を合わせられなかった。


別れ際に交わした握手の薄温かさが、彼女らしいと思った。

幸せであれ、と祈る。