2005-01-01から1年間の記事一覧

Sister's Moon

オフィスの乾燥した空気にむせながら、うっすら風邪を引きそうになってあわてて薬で抑えたり、耳が千切れそうなほど冷たい朝の大気に全身の動きを止めてみたり、この季節のカラダは結構忙しい。 それでも、急に降りかかる冬らしさに、戸惑いながらもわくわく…

Sleeping Sun

月初に会社のクリスマスパーティを終え、気分はすっかり仕事納め、今年やることは全てやり遂げた!くらいの充足感と共に消化試合に入っている今日この頃である。ボーナスも貰ったしな。 会社のクリスマスパーティが終わると自分のクリスマス気分まで終わって…

Act against you

四年半お世話になった旧居を引き払った。 入居の時くらいしか顔を合わせることの無かった大家さんに挨拶し、いくつかの手続きを完了する。 掃除をしながら、本当は私はこの部屋があまり気に入っていなかったんだと思った。古いし電車がうるさいし日当たりは…

いまひとたびは未練で眺め

家の用事で一昨日から帰省し、今朝帰ってきた。相変わらず北陸は遠い。 関西は晴天続きだったが、北陸はこの一ヶ月ほどほとんど晴れ間が無いのだとか。確かに向かう途中、福井を過ぎたあたりから空が低く暗くなり、みぞれ交じりの雷鳴に見舞われたりした。 …

長い夜の話

夜中のチャイムに訝しんでインターホンを取れば、ノイズ交じりの呼吸音。 「アイム ユア ファーザー(シュゴーパー)」 玄関を開ければ、ダース・ベイダーが立っていた。 「…バカじゃないの?」 後輩と共にやってきたベイダー卿もとい恋人は、マスク(ボイス…

この糸があなたに繋がらないならば

新居は快適です。 朝晩は吐く息が白くなってきたが、12月に入る前にコートを着るのはなんだか負けた気がして、手袋やマフラーで自分を誤魔化しながら凌いでいる。毎年繰り返す、子供じみた意地だ。 夏には暑い思いを、冬にはちゃんと寒い思いをしておかな…

きんいろの

午前に休みを取って、いつもの定期検診。ついでに、役所など各種届け出を済ましてしまう。引っ越しをすると、結構いろんな手続きが必要だ。それでも、初めて自分で手続きをしに行った十数年前に比べたらオンライン化が進んで随分スムーズになったしサービス…

ネスト

今のワンルームも今夜が最後。家具家電の類は昨日のうちに全て運び出しているため、後は必要な本と服とCDを拾うだけだ。 そして、残りは処分する。潔く。 自分の持ち物のうち、生活の中で実際に使っているものなんてごくわずかだった。使い捨ての消耗品が…

私は水の声

図書館の物知りお兄さん業の傍ら、相変わらずヘヴィでディープな研究活動を続ける恋人の元へ、この週末は遊びに行った。 彼が一軒家に引っ越して以来、彼がうちに来るより私が彼の元へ行くことのほうが多い。まぁ、研究学会の多い時期で、彼が忙しいというの…

ヒュノプス覚醒

オフィスを出てようやく、ものすごく眠たかったことに気づく。寒くなったわりには朝早く目が覚めてしまい、睡眠時間がどうにも短いようだ。せっかくだから、朝からジョギングでもしてみようか。 一日を早く始めてみるのも面白いかもしれない。

方違え

衝動的に引っ越すことにした。 どのくらい衝動的かというと、11月から新居に入居するくらいだ。先週末に不動産屋に電話して、その日の晩には契約をした。 私の即断に、担当者もちょっと引き気味だった。がっついた客でゴメンよ。進学でも就職でも引越しで…

しまなみに沈む陽

四国に行った。 帰り際、瀬戸内に沈む夕日が大橋から見えた。 島々の作る奥行きと、複雑な潮流を潜める凪いだ海面。 なんて世界だろう。

天空から降る風

システムのテストで、国際会議場に一人でプチ出張。仕事は首尾良く終了。予定時間より随分早くなったので、高い窓から堂島の眺めをしばし楽しむ。 午後からは来客だの会議だの遅くまで予定が詰まっている。 今のうちに、少し息抜き。

天使の化石

このところの急な冷え込みと忙しさからか、昔から持っている持病が出た。すぐに治りはするものの、わりと厄介なものだ。痛みが凄まじい。どの程度痛むかは見当がついているので不安は無いが、激痛疲れで消耗する。 東洋医学では循環器系が弱いと生気も乏しく…

きみへのスーベニエール

ヨーロッパ出張する父にネスレのチョコレートを頼んだら、こんなにいっぱい! 父上天才!

時の堆積

未明から雨が降り始めたので、いつもは自転車で走り抜けてしまう駅までの道程を、傘をさして歩くことにした。 古いレンガ積みのトンネルをくぐり抜けると、秋草が野分の意匠のごとく土手を覆う。水滴を穂に飾った薄の中、沁みるように深い藍の露草が散る。 …

シクロ

衣更えが終わったものの、まだ暑い日がちらほらとあり、毎朝天気予報を睨みながらスーツを選んでいる。通勤電車にも、Tシャツ姿の人も居ればコーデュロイやファージャケットを着ているひともいたりで、季節が混在している感じだ。 いつまでも季節が定まらな…

荒野の蝶

このひとはこんなに寂しがりだったのだと、改めて気づく。 三連休、恋人の引越しを手伝った。 大学の職員住宅なので、裏や隣やが恩師たちだったりする落ち着かないロケーションではあるが、先輩職員たちに家具やら食器やら家電やらを貰ったりと、便利ではあ…

彼岸より来たるは

月見団子が彼岸団子に変わっている不思議。 リサイクル。

月は銀貨

取り寄せていたアイルランドの紅茶が届いたので、早速ロイヤルミルクティにする。 ケニア茶の強いコクと風味を、ミルクで和らげる。びっくりするほど美味しく出来た。この味も久しぶりだ。 秋だな、と思う。 先月見破られた手抜き仕事をやり直したものが、出…

藍色露生

鮮やかに深い藍色の花を見つけた。 秋の露草。 草むらに、藍玉を散らしたように咲いている。 庭先には萩。もう小さくしか咲かなくなった朝顔。 涼しくなると、こぼれるように咲くどこか繊細な花が目につく。 伸びやかに大きく咲く花の季節は終わった。 もう…

逸詩

ずいぶん間が空いてしまった。 このところ、母校での学会に出かけたり知人の製作している芝居を観に行ったり美術展に行ったりと、週末ごとにイベントが多くて、なんだか落ち着かない。 そんな中で、日常的には、人間関係の中における個々の感性の相違を改め…

手のひらの温度

会社で一番つきあいの多かった一歳年上の同僚が、最後の出社だった。 寿退職。彼女の故郷でもある、北海道に嫁いで行くのだ。 なんとなく実感が薄いので、改めてお別れを言うのも気恥ずかしい気がしたけれど、一応帰り際に挨拶。 でも、顔を見たら泣いちゃい…

野を分かちゆくは

大阪に来ていた父と食事をしていたので、いつもより遅い帰宅になった。 しかし、普段なら考えられない空き具合。台風を避けてか、帰宅ラッシュはずいぶん早い時間だったようだ。 台風の速度は意外に遅く、心配していた割りには雨も風も無く。慌てて帰った人…

引き戻るならあなたのせいで

秋である。 恋の季節は春だというが、日本の春は花見だ桜だ年度末だで忙しすぎて恋どころの騒ぎじゃない。 どちらかというと、それまでの賑やかさが消え去り、風に肌寒さが紛れはじめる秋の寂寞というか端的にいうなら人肌恋しさの方が、恋の契機としては切…

Hortum Veritatis

久しぶりにやっつけ仕事を見破られ、肩を竦めてやり直す羽目になった。 しかし、相手の戸惑った様子に、要領の良さに溺れて相手の期待を裏切ってしまったことに気づく。 珍しく仕事が原因で落ち込んでいるのは、そのことが堪えているからだろう。少なくとも…

真実の庭

咲きこぼれる萩の花だとか、夜の林に深く染み透る秋の気配だとか、信州で見たそういうものたちを都会の中で想い返す。あの透徹に比ぶべきもないけれど。

往きて還るもの

夏期休暇中の一週間に溜まった仕事を解消するのにどれほどかかるかと思っていたら、拍子抜けするほどあっさり片付いてしまった。相変わらず仕事はえーなオレ。 結局、休みが明けて二日目にはすっかり通常通りだ。 とは言うものの、避暑地の快適さに慣れかけ…

休暇が終わって

一週間ぶりに出社したら、五歳くらい老けた気がする。 オフィスって、身体に悪い。

壁から

犬(わかる?)。 小さい穴から顔を出して、すんげー吠えてた。