2005-09-01から1ヶ月間の記事一覧

荒野の蝶

このひとはこんなに寂しがりだったのだと、改めて気づく。 三連休、恋人の引越しを手伝った。 大学の職員住宅なので、裏や隣やが恩師たちだったりする落ち着かないロケーションではあるが、先輩職員たちに家具やら食器やら家電やらを貰ったりと、便利ではあ…

彼岸より来たるは

月見団子が彼岸団子に変わっている不思議。 リサイクル。

月は銀貨

取り寄せていたアイルランドの紅茶が届いたので、早速ロイヤルミルクティにする。 ケニア茶の強いコクと風味を、ミルクで和らげる。びっくりするほど美味しく出来た。この味も久しぶりだ。 秋だな、と思う。 先月見破られた手抜き仕事をやり直したものが、出…

藍色露生

鮮やかに深い藍色の花を見つけた。 秋の露草。 草むらに、藍玉を散らしたように咲いている。 庭先には萩。もう小さくしか咲かなくなった朝顔。 涼しくなると、こぼれるように咲くどこか繊細な花が目につく。 伸びやかに大きく咲く花の季節は終わった。 もう…

逸詩

ずいぶん間が空いてしまった。 このところ、母校での学会に出かけたり知人の製作している芝居を観に行ったり美術展に行ったりと、週末ごとにイベントが多くて、なんだか落ち着かない。 そんな中で、日常的には、人間関係の中における個々の感性の相違を改め…

手のひらの温度

会社で一番つきあいの多かった一歳年上の同僚が、最後の出社だった。 寿退職。彼女の故郷でもある、北海道に嫁いで行くのだ。 なんとなく実感が薄いので、改めてお別れを言うのも気恥ずかしい気がしたけれど、一応帰り際に挨拶。 でも、顔を見たら泣いちゃい…

野を分かちゆくは

大阪に来ていた父と食事をしていたので、いつもより遅い帰宅になった。 しかし、普段なら考えられない空き具合。台風を避けてか、帰宅ラッシュはずいぶん早い時間だったようだ。 台風の速度は意外に遅く、心配していた割りには雨も風も無く。慌てて帰った人…

引き戻るならあなたのせいで

秋である。 恋の季節は春だというが、日本の春は花見だ桜だ年度末だで忙しすぎて恋どころの騒ぎじゃない。 どちらかというと、それまでの賑やかさが消え去り、風に肌寒さが紛れはじめる秋の寂寞というか端的にいうなら人肌恋しさの方が、恋の契機としては切…