夜よ、静かに降りてこい。


 忙しい一週間で、疲労というよりなんだか疲弊した感じだ。
 期待が最大のストレスになりがちなのだが、それは強い関心を向けられることであるからなのだろうと思う。やることはちゃんとやるから、放っておいて欲しい。

 一週間ぶりに顔を合わせた恋人には、「…老けたね。」と言われた。
 うるせー!オレだっていろいろ大変なんだよ!!


 突発的に忙しくなるのは、別に苦に思っていない。仕事が多かろうが少なかろうがなぜか同じ時間内に収められる特技を持っているし、難度が高いほうが燃える。だから、私のことはミッションをインプットしたら自動的に仕上がる「自動仕事機」とでも思っておいて欲しい。
 いろいろ気遣いは、要らないのだ。


 今日は、朝起きたら久しぶりの快晴。日差しも暖かく、コートは着ないで厚手のネルシャツを羽織って外に出た。

 このところ、マフラーに顔を埋めるようにして足早に歩くのみだったが、首を伸ばしてゆっくり歩いてみると、あちこちの庭先で花の匂いを感じる。
 椿や水仙や蝋梅の凛とした香り。冬の最中に、春の気配を自ら作り出す花たちだ。

 空き地に、ネコたちがのんびり挨拶していた。久しぶり、と言っていたのだろうか。

 いつの間にか一月も下旬で、来週は二月が始まる。
 そうなれば、春の気配は一層濃くなる。旧暦では、春が始まる。


 少し、気分を変えたい。
 今年は、今までにしなかったことをしてみようか。