花より団子
外に出ると、盛大な風花が舞っていた。
不思議なもので、断続的に雪が降るくせに積もるほどでもなく、そもそも雪が降るわりには肌に触れる空気に然程冷たさを感じない。この程度の風で、よく雪になるものだ。
昨日はうっかり一日引き篭もってしまい、何度か窓を開けはしたものの外に出ては居なかった。
外出の予定が中止になったためなのだが、ならば買い物なり何なりに出掛ければよかったものを、気がつけば映画を見たり本を読んだり音楽を聴いたりネットを覗いたりわざわざ時間のかかる料理をしたり。
そもそも、起き出したのが夕方だった。根が怠惰な人間なのだ。
最近利用している食材の宅配サービスのおかげで、スーパーに行く機会が極端に減り、それに伴って生活消費財の購入も疎かになっている。気がつけば、洗濯用柔軟剤とミネラルウォーターが切れていた。
なにげにどちらも、今の生活においては必需品だ。
これでは、生活できない。
生活の伝手は外界にあることを、いつもちゃんと思い出しておこう。
土佐の実家に帰省中の恋人から荷物が届いており、開けてみれば私が愛するあるメーカーのポン酢一箱。
「ちょっと早いけど、ホワイトデーに。」
う、うれしー。
ちなみに先日の誕生日プレゼントには、私が最も愛する果物であるところの土佐文旦一箱。
くぅ!わかってるぜ、この男。
ビバ☆柑橘王国土佐!
…花より団子。