天后
雨かと思っていた週末は何とか持ちこたえ、なかなかの好天。
恋人と大阪に出て、なぜか食い倒れデートの有様に。
夏日だし恋人の誕生日だしで、ビルケンシュトックのサンダルをプレゼントするべく、心斎橋のショップに引きずっていく。
店員のオニーサンに足のサイズを測ってもらうも、身なりに関心の無い彼に数多のデザインから好みのものなど選べるはずもなく、結局私が持っていたものと色違いのサンダルを選ぶ。
「軽い!」
「だしょ?」
そのまま履き替え、買ったばかりのサンダルで街の散策開始。
ランチは穴場中の穴場、大阪のサラリーマン御用達・船場センタービル地下二階食堂街で、小籠包定食。めちゃくちゃ安くてめちゃくちゃ美味い、私が現在大阪イチ愛する小さな中華料理店。
「安い!美味しい!」
「だしょ?」
満腹満足したところで、キタに向かって行軍。
ジュンク堂で各々好きに本を探索し、やがて合流。少々小腹が空いて、甘いものが欲しくなる。
一駅分南に戻り、北浜のレトロなビルにオープンしたパティスリーGOKANで一休み。
平日にはすぐ案内されるティールームも土日ともなるとえらい混みようで、30分ほど待つハメになったが、重厚な建物やガラス越しのオーブンで膨らむケーキ生地や厨房で次々とデコレートされていくケーキは見ていて飽きることがなく、恋人は物珍しそうにオーブンの前に張り付いていた。
ようやく案内されたティールームは吹き抜けの二階の回廊で、恋人がオーダーしたコーヒーも驚くほど美味だったらしく、私の頼んだ柚子ジュースも雑味の無いすっきりと透明な味。ケーキももちろん美味。
「とろけるねぇ。」
「だしょ?」
おみやげにフロマージュとショコラのスフレ(絶品!)を買って、ミナミに戻る。
なんだかんだと難波〜梅田間を往復したことになるが、途中いくつも寄り道したし、天気もよく普段通らない道で見慣れないお店や史跡を発見したりで、疲れ知らず。そもそも、このくらいの距離は、普段から土日の散歩で歩いている。
加えて、ビルケンシュトックのサンダルは独特のフットベッドがしっかり大地を踏み足指で掴ませるよう足に作用するため、血行が良くなり、ふくらはぎの疲労感やむくみなどとは無縁で長距離を歩くことが出来る。
道すがら、私の仕事の話や、恋人が取り組んでいる博士論文の話や、周囲の人々のことについて語り合う。
次の信号まで競争したり、日陰で一服したり、小さな神社を覗いたりする。
恋人の誕生日ということを除けばこれといって何かあったわけではないが、ひどく健康的で満ち足りた一日だった。