箱舟が沈むまで

連日雪が舞う。
今年の冬は本当に寒く、幼少期に数年暮らした北国を思わせる。
あるいは学生時代に暮らした山上の街を。


雪は世界から音を奪う。


このところ具合が悪く、浮沈を繰り返すように日々を送っている。時折まみえる春の兆しをやけに遠く思いながら。
花も春もなにもかもが遠い。


もうすぐあの季節だ。
終焉と再生の。