リベラ メ
花の金曜日なので今日が最終日の映画を観に行ったのだが、うっかりしてたらポップコーン食ってる一人客なんてオレだけだったよ!
なんだよみんな!映画館でポップコーン買うのはもはや礼儀だろう!(そーだっけ)しかも約4時間の長丁場。腹が減ったらどーすんだ!
…と思ってたら、隣に座ってた一人客のおねーちゃんもインターミッションの間にポップコーン買ってきてた。ホラ見ろ。だから言っただろ。(言ってねーよ)
観たのは劇団☆新感線のゲキ×シネシリーズ『SHIRO』。天草四郎を題材にした舞台映画で、「神の声を持つ男」と「神の声を待つ男」の物語。上川隆也はやはり舞台のほうが良い。スタイル良くて立ち姿が綺麗で舞台栄えする。
絶望した人間が、それでも最期に残す希望に、たぶん惹かれるのだ私は。
絞り出された望みの、純度の高さに。
私は、人類の総体を構成する一人であるところの私が救済されることを願い、命すら賭けた古人たちを知っている。それはたぶん、知識ではなく信仰に一番近いのだろうと思う。
千年の昔「衆生尽き虚空尽き涅槃尽きなば、我が願い尽きなん」と空海は言った。救いは今この後に与えられるのではなく、すでに与えられているのだ、きっと。望みに応えるのではない。望むと望まざるとにかかわらず、すでにそこにあるものなのだ。
沈黙ではない。
人の身をもってそれに辿り着くことこそが、成すべきものなのだ。