いのちの礎

KyrieEleison2008-08-17


実家に帰省していた。


祖父の米寿のお祝いに、親族が集まって料亭で食事会をしたのだが、ただ歓談するだけでは味気無いから何か考えろと長男であるところの父から命じられ、祖父のヒストリーをパワーポイントでプレゼンテーション仕立てにして流すことになった。仕事柄こういうのは得意だ。


まずは素材集めからと昔の写真を出して貰ったのだが、これが面白い。
年に何回も行ったという旅の写真がメインなのだが、若き日の祖父の美男ぶりもさることながら、戦後5年目の浦上天主堂がまだ瓦礫しかなかったことや、私もよく知る高野山の大伽藍が全く変わらないことなど、タイムマシンに乗ったようで、つい見入ってしまう。また、千切れてボロボロになっているのは、戦争で中国に行った先に日本から送られてきた家族の写真。ちゃんと無事に持ち帰り、アルバムに貼ってあった。戦地での写真も意外に多いことにも驚く。誰が撮るんだろう。

スライドショーにした写真を眺めながら、結婚した時のこと、旅先での話等をポツポツ語る祖父に耳を傾ける。楽しそうに笑っている写真が多くて、それが祖父の人生として残るのがわかって嬉しい。
私にとっておじいちゃんでしかなかった彼の、個人としての人生をこうして知ることができて、良い機会になった。


医者からは100歳まで大丈夫と、健康の太鼓判を捺されたそうだ。
我が家は長寿の家系であるけれど、これからも変わらず元気で長生きしてほしいものである。