愚者の惑星

KyrieEleison2009-04-13

つい先週までは冬の狭間のような気候だったというのに、なんだかもう初夏の陽気だ。夕風に水を含んだような匂いが混じる。
部屋を片付けて、窓を開け放とう。
夜の音楽を聴こう。


週末はイースターで、土曜日の晩からミサがあった。日曜日の復活に向け、三晩かけてキリストの受難をなぞる。
ソロで歌う曲がいくつかあったのだが、聖堂に響く上昇音階に天への渇望を想った。高みにのばした腕が見えるようだ。これが私の音楽における原風景だろう。


昔から情景を想起させるような音楽が好きだ。
他の人がどうなのか知らないが、私は音楽を視覚的に把握する。目を閉じて、その世界が展開させられるような音楽を好む。だから、別に言葉は要らない。
そういう技能に長けているのは、クラシックはもちろんだけど、卑近なところでは小室哲哉が天才的だったと思う。
Fool on the Planetという曲があったのだが、周回軌道からみた惑星の感じとか、上手に表現してた。初夏の夜の空気とかね。思春期の感性で聴いていたせいもあるかもしれないけど、その世界は目の前で見ているかのようにリアルに私の中に展開された。
編曲というか、音の選び方が上手いんだろうな。
本人はいろいろ残念なことになってるけど。



寒さが払われたら、少し意欲的になってきた。
次の旅のプランでも立てようか。