蜜柑の花の

十魚架

風もさわやかな季節なので、天気が良い日は会社帰りに二駅分くらい歩いたりしている。
西梅田から淀屋橋まで中之島を通るルートになるのだが、遊歩道に薔薇が咲き乱れていたりところどころに風変りなモニュメントがあったりと、夕風を受けて歩くにはなかなか良い。


なかでも目を引いたのは、『十魚架』と題されたモニュメント。
あまりのインパクトに、足を止めてしまった。
なんつーか、シュールレアリズムにまったく造詣の深くない私には理解に苦しむ発想なのだが、なんだか面白くなってしまう不思議な魅力があるので、通りかかるたびに立ち止っては眺めている。
少し湿った川風に薔薇の香りが乗って、夕暮れの中いい気分で歩いている。


珍しく政治家の話でも。
昨日号外まで出た民主党小沢一郎代表の辞任だが、あの記者会見の気持ち悪さはなんだろう。
そもそも記者団の質問とかみ合ってなかったように思うのだが、理念というか観念ばかり掲げて自分に酔っている甘ったるさが鼻について不快なのかな。いや理念とかって大事だと思うのだが、それを口にすることよりも、常にそれを目指して邁進していく謙虚さが大事なのであって、まだ何事も為していないうちからその理念そのものがあたかも自分の価値であるかのように自己陶酔している感じが傲慢というか、理念とそれを掲げる人格とを混同しているんじゃないかお前ら、と民主党幹部を見ていると思わずにはいられない。
そもそも、「男子の本懐」とか言い出す連中は失敗も批判も独り善がりな自己完結型のロジックで美化できてしまうのでタチが悪い。
本当に誠実に活動している党員だっていることは、身近にもいるので知っている。民主党マニフェストも、私にとっては共感できる部分が多い。でも、あの代表辞任はあまりにお粗末。つーかもう個人的に嫌い。田中角栄から政治家=悪人イメージの系譜を濃厚に引き継いだ顔をしておいて、「GWに辞任を考えた」ってどんなのんびり屋さんだよ。国民もチンプンカンプンだよ。今更遅過ぎてだれも納得してないよ。突然の辞任は自民党のやり口だー!
彼の周りには、イエスマンしかいないのかな。鳩山由紀夫なんか、ほんとはお前が陥れたんじゃないか?と思うくらい不自然にべたべたな阿諛追従ぶりだったね。ああいう風に甘やかされちゃったんだろうな。あれは、おぼっちゃんの愚鈍さだ。
あー、気持ち悪かった。さっさと鳩山君から手のひらを返したような扱いでも受けて引退したら、その憐れさにちょっとは萌えるんだけどなー。



さて、夏に向けて久しぶりに部屋を大掃除して、家具を一人で移動したおかげで全身筋肉痛になったりはしたが、ずいぶん快適になった。
山側の和室には、窓から涼しい風が流れ込んでくる。一緒に、蜜柑の花の甘い匂い。この時季は藤やらアカシアやら、香りの良い花が多い。よる、窓を開けて、この花の匂いの中で眠るのが至福だ。


日差しが強くなって、生きてるだけで日焼けするようにもなったのだが、やはり五月はいい季節だ。