えそらごと

未明から土砂降りだったのだが、私が家を出る二分前にピタリと止んで、これはもうなにか人外のものに愛されているとしか思えないような都合の良さだ。実際、梅雨の最中だというのに、傘を差したのは二度しかない。会社は駅直結だしな。


金曜日の仕事帰り、茶屋町に出て『いけちゃんとぼく』(西原理恵子著)を観に行ったのだが、図らずもエヴァの延長というか、二本続けて少年の成長物語になった。ただし、こちらはもっと見守る眼差しの、少年に対する慈しみの想いが顕著だ。
男の子は、見守られて試練を乗り越え、やがてひとりで立つのです。


サイバラファンとおぼしきオジサン一人客もちらほらいたが、物語終盤では嗚咽を漏らしてたりしてびっくりした。でも、あのくらいのオジサンたちが一番リアルに、自分を重ね合わせて見られるのかもしれないな。ちょっと前の、暮らしに苦労している家庭もわりと多かったくらいの世代。私とかは、やっぱり女の子なので。だから、八月公開の『女の子ものがたり』(西原理恵子著)の方を楽しみにしてみます。
あ、そーか。男の子と女の子が対になって映画公開だったのだ。今頃気づいたよ。


なんか、良い映画でしたよ。オジサンたちの反応を含め、映画終了後の劇場内の空気が暖かい感じだった。