橋の下から


会社ではしばしば絵描きとして使われる。
うちの会社では、一件の成約につき一本の木を東南アジアに植える。社会還元活動の一環として、植樹活動をしているのだ。数年前にそのプロジェクトが始まった時、私は社長と総務部長からイメージキャラクターを作れといわれた。
「一件の成約が一本の木になって私たちの星を救う」というようなコンセプト。


じゃぁ、とりあえず地球的なカンジで。地たまくん。

・・・ボツだった。
部長「なんか木っぽくないし。」


じゃぁ、木っぽいカンジで。ガジュマルくん

・・・またボツだった。
部長「目つき悪いし。」


じゃぁ、目をぱっちりと。ガジュマルくん2

・・・でもボツだった。
部長「つーかメタボのおっさんみたいだし。」


じゃぁ、愛らしい感じで。根っ娘ちゃん

・・・やっぱりボツだった。
部長「・・・もうちょっと発想を変えてみようか。」


うん、木そのものにこだわりすぎてたよね。木りんくん

・・・なのにボツだった。
部長「表情が冴えないし。」


じゃぁ、溌剌と。はっぱくん

・・・結局ボツだった。
部長「なんかコンセプトから離れすぎてるし。」


最終的には無難な感じのぞうさんカップルキャラが採用されました。会社の持ち物なのでここには公開できませんが、ホント無難でつっまんねーカンジのキャラクターが採用されていまい、誠に遺憾でした。漂白しきった、「オレ流」という者があるのならば一切排除された感じのやつ。結局多くの人に好ましいと思われるものを作るとなると、最大公約数的なものになるのです。


職業デザイナーってそのへんのジレンマが大変なんだろうなーと垣間見られた一件でした。
私はふつうの管理系の仕事が良いです。