晩夏の傷痕

KyrieEleison2010-08-27

ぐずぐずと引いている夏風邪が治らず、熱を出して午前休を取って出勤することにした。まだ熱っぽいけど、忙しいのでそうも言ってられない。


朝まだ陽が昇って間もない時間と、正午の照り付ける太陽の下とでは、世界の様相が全然違うな。
濃い緑の山々に巨大な影を落とす積乱雲とか、ひしめき合うような草や花や木々の生命力に圧倒される。稲田には重そうな穂が揺れて、それらの生々しいくらいの存在感に、「生き物」なんだなあと思う。
『一粒の麦、もし地に落ちなば』という聖書の言葉があるけれど、一粒ね麦でも米でも種でも、もし地に落ちて芽が出て実を結んだら恐ろしい数になる。そういう、爆発するようなエネルギーを秘めているのだ、あれらの植物たちは。
…なんてぼんやり考える。
そりゃ仏性も持つだろうよ山川草木も。その方が、人間も謙虚になれるってもんだ。


プレウ゛ェールの詩にこんな一節がある。
「天にまします我らが父よ、どうかそこに留まり給え。
 けれど僕はここに留まろう。
 時にはかくも美しきこの世に。」


神の被造物であり、世の理りであり因果律であり、仏の真理を顕す、この世に。