遠くに射す光

ものすごく久しぶりに、明るいうちに家に帰り着いた。


斜陽の中で見る山々は霞がかかったように白く煙ぶっていて、それはまだやわらかい木々の葉の、芽吹きの色だった。


たんぽぽや山吹やれんげ草が咲いたなんて、気がつかなかった。
世界がこんなに色に満ちていたなんて、忘れていた。